春の花々咲く山域を周回 皿ヶ嶺(1,278m)
愛媛県東温市
2015年4月27日(月) 門久単独
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〈シコクスミレの群落が見られるのもこの山の魅力のひとつだ〉 |
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愛媛に渡った好天の午後、春の花が咲き始めている皿ヶ嶺を歩いた。
早春の花が終わって、春の花々が咲いているだろうと1か月余ぶりに訪ねた次第。
流石に「花の山」と言われるだけに、山に踏み入ると数多の花々が咲き乱れるように花を開いていた。
とても一日で全部を見て吸収は出来はしないと諦めつつも、山道を歩きながら"花の山“を楽しんだ。
《山行記録》
水の元13:13・・・・13:14お花畑13:35・・・・13:50上林森林公園駐車場・・・・14:09正面登山道出合・・・・14:13風穴14:18・・・・14:27正面登山道再出合い・・・・15:19ベンチのある休憩所・・・・15:32竜神平15:33・・・・15:47三差路・・・・16:06上林峠16:19・・・・16:34林道出合・・・・16:40天狗の庭16:55・・・・17:04水の元 〔総所要時間:3時間51分、休憩等:0時間19分、正味所要時間:3時間32分、歩行距離:7.1q、累積標高差:±725m〕 |
13:13 水の元
午後1時を少し回った水の元には5〜6台の車が停められていた。平日ながら皆さま山に入っているのであろう。準備をして山行出発である。先ずは直ぐ上にあるお花畑に踏み入った。冬場には無機質な単色であった斜面に、アレアレ、色とりどりの花々が咲いたり咲き始めようとしていた。それらの花々を追って、お花畑の中を上へ上へと歩いた。全部で何種類の花に出会ったかもう分らなくなってきた。このお花畑で約20分を過ごして、次の風穴へと登って行った。
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〈麓から見たこの日の皿ヶ嶺〉 |
〈水の元の駐車場からこの階段を上がるとお花畑に出る〉 |
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〈フウロケマン〉 |
〈コンロンソウ〉 |
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〈ムラサキケマン〉 |
〈イチリンソウ〉 |
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〈ヤマシャクヤク(蕾)〉 |
〈ヤマエンゴサク〉 |
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〈ミヤマハコベ〉 |
〈ユキザサ(蕾)〉 |
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〈ヤマルリソウ〉 |
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〈ツクバネソウ〉 |
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〈アワコバイモ〉 |
〈エイザンスミレ〉 |
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13:50 上林森林公園駐車場
風穴下の上林森林公園の駐車場とその周辺には11台の車が停められてあった。山中からは下山してくる登山者の声も聞こえていた。そこに立って山を見上げれば、稜線付近は今芽吹きの頃を迎えているようで、山稜は淡い萌黄色に染まっていた。真っ直ぐに風穴へは向わずに、左回りで車道に入り、途中で杉林の外周部に設けられた遊歩道に入って花々を観察しながら風穴に向かった。遊歩道の周りには期待したほどの花々はまだなかった。ハシリドコロも花を付け始めたばかりのようで、この辺りの本格的な花の季節はこれから先のようであった。一旦皿ヶ嶺への正面登山道に出て、その合流点から風穴へと少し下るようにして向った。
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〈風穴下の上林森林公園〉 |
〈ツルキンバイ〉 |
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〈ドウダンツツジはもう終期〉 |
〈新緑のトンネルを抜けて行く〉 |
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〈コバノミツバツツジ〉 |
〈ヤマブキ〉 |
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〈ナルコユリ〉 |
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〈上林森林公園の遊歩道〉 |
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〈シロバナネコノメソウ〉 |
〈ハシリドコロ〉 |
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14:13〜14:18 風穴
風穴(かぜあな)の中の雪は完全に融けていた。これから初夏に向け、ヒマラヤの青い芥子の開花が待たれる。ちょっと空気の冷たい風穴の周辺には、ミヤマカタバミ、コガネネコノメソウ、アワコバイモ、コチャルメルソウなどの花がまだ咲いていた。風穴から直接に正面登山道に出る踏み跡を辿って登って行くと、その斜面にヤマブキソウの蕾を見付けた。この辺りでは他にヤマブキソウの姿はなく、ここが走りのようであった。
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〈風穴〉 |
〈雪が姿を消した風穴〉 |
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〈ニシノヤマタイミンガサ〉 |
〈ミヤマカタバミ〉 |
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〈コガネネコノメソウ〉 |
〈コチャルメルソウ〉 |
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〈ヒメエンゴサク〉 |
〈ワチガイソウ〉 |
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〈これは綺麗なヤマエンゴサクのようだ〉 |
〈ヤマアイ〉 |
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〈ヤマブキソウ〉 |
〈ニシノヤマタイミンガサに交じって咲くシロバナエンレイソウ〉 |
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14:27 正面登山道再出合
正面登山道に出ると、忽ちイチリンソウに魅了されてしまった。イチリンソウは咲き始めの時期のようで、若く瑞々しい花々が多かった。ウラベニイチゲとも呼ばれる裏面が紅色の花がやはり愛らしかった。この正面登山道がジグザグを切りながら上がっている斜面は今ハシリドコロで覆われようとしていた。ようやく花を付け始めたハシリドコロが初夏まで主役の座を占める。竜神平までの沿道もまた多彩な花々で彩られていた。シコクカッコソウ、シコクスミレの「シコク」の地名が被された花がその双璧であろうか。「イヤイヤ・・・!」と、ワチガイソウなどその他の花々もしっかりと自己主張していた。竜神平に着く直前の尾根道で、こちらに向かって見たことのない獣が歩いて来るのを見付けた。敵さんは、笹に隠されてこちらの姿を認めていないようであった。直ぐ近くまで来てから驚いたように踵を返して来た道を引き返して行ったが、これがここで初見のニホンアナグマであった。
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〈お花畑の中をジグザグに上る登山道〉 |
〈イチリンソウ〉 |
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〈イチリンソウの群落〉 |
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〈ツインのイチリンソウ(ウラベニ)〉 |
〈別名「ウラベニイチゲ」〉 |
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〈イチリンソウ(ウラベニ)三姉妹〉 |
〈クリーム色のイチリンソウ〉 |
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〈芽生えの季節〉 |
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〈ハナイカダ〉 |
〈ハルトラノオ〉 |
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〈ヤマウツボ〉 |
〈ミツバテナンショウ〉 |
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〈ハシリドコロ〉 |
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〈斜面一面ハシリドコロの群落〉 |
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〈芽生えの森の中を行く登山道〉 |
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〈シコクカッコソウ〉 |
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〈タチツボスミレ〉 |
〈シコクスミレ〉 |
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〈フデリンドウ〉 |
〈ヒトリシズカ〉 |
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〈ウワバミソウ〉 |
〈ワチガイソウ〉 |
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〈ベンチのある休憩所〉 |
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〈芽生え前のブナ〉 |
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〈珍獣登場!! ニホンアナグマのようだ〉 |
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15:32〜15:33 竜神平
午後3時を大きく回った竜神平は無人であった。ここの湿地性の植物が現れるのはまだまだ先のようなので、先を急ぐこととした。湿地を横切り、後背の森を抜けて上林峠へと向かった。森や尾根筋の樹々は芽吹きを迎えようとしている時期で、まだまだ色彩に乏しかった。森の中にコバノミツバツツジが点在していたほかは、路傍に地味なクロフネサイシンの姿を認めたくらいであった。長い階段道で上林峠へと下った。
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〈竜神平〉 |
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〈緑色の道〉 |
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〈ツルキンバイ〉 |
〈森を抜けて上林峠へと急ぐ〉 |
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〈クロフネサイシン〉 |
〈芽吹きの頃を迎えた尾根道〉 |
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〈東隣の陣ヶ森(1,207.1m)を望む〉 |
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〈上林峠へと下る長い階段道〉 |
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16:06〜16:19 上林峠
上林峠のベンチに腰掛けてこの日唯一のちょっと長い休憩を取った。あとは天狗の庭に抜けて水の元まで下るだけであった。このルート上の皿ヶ嶺北壁の巻道にあるシコクスミレの群落を楽しみにしていたが、今年は何故かパッとしない出来であった。或いはまだこれから発芽するのかも知れない。天狗の庭では、シロバナエンレイソウの群落やヤマブキソウを見るのを楽しみにしていた。シロバナエンレイソウはもうかなり長けた時期で、花の色も純白からかなり青味がかった色に変わっていた。風穴方面など標高の高いところではまだ殆ど姿を見なかったヤマブキソウが、天狗の庭では一斉に開花しようとしていた。僅かの標高差であるが、植生は大きく異なるものだと驚いてしまった。天狗の庭のある森全体も芽生えの時を迎えて緑色の衣を纏い始めていた。
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〈上林峠〉 |
〈コンロンソウに彩られた沢筋を渡る〉 |
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〈上林トンネル北口から延びる林道を横切る〉 |
〈芽吹きの頃を迎えた天狗の庭〉 |
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〈ルイヨウボタン〉 |
〈シロバナエンレイソウ〉 |
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〈天狗の庭ではヤマブキソウが一斉に咲き始めていた〉 |
〈ヤマシャクヤクも開き始めたようだ〉 |
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〈芽生えの森を後に・・・・1〉 |
〈ヤマルリソウの群落〉 |
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17:04 水の元
午後5時過ぎに4時間足らずの散策を終えて水の元に下った。駐車場にあったのはわが愛車だけであった。水汲みに来る人も多いここ水の元の水の流れる水路脇にはコンロンソウが白い花を付けて群生していた。これから初夏にかけてのある時期、上林森林公園の林床や水回りはこのコンロンソウの白い花で包まれる。これがまた美しく、また季節がまた新しいステージに入ることを知らせてくれるバロメーターとして楽しいものだ。
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〈水の元に戻った〉 |
〈水の流れに沿ってコンロンソウが咲く〉 |
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〔山行所感〕
春の花を求めての皿ヶ嶺の散策は、期待以上に沢山の花々に出会えて楽しいものになった。一気に沢山の花々が花を付けて訪れる登山者を歓待してくれる皿ヶ嶺はつくづくも凄い山だと思う。この度は今まで思いもしなかったニホンアナグマにも遭遇することが出来た。これからも動植物の宝庫として親しんで行きたいと思う。
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〈この日の軌跡〉 |
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