春の花々を追って雨上がりの山を歩く 皿ヶ嶺(1,278m)
愛媛県東温市・上浮穴郡久万高原町
2015年5月7日(木) 門久単独
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〈これから皿ヶ嶺は百花繚乱の時節を迎える〉 |
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5月の大型連休も終わり、四国の花の山・皿ヶ嶺もいよいよ春の花々が繚乱する時節へと入って行く。
所用で愛媛に渡ったこの日、午後には雨が上がると言う予報を信じて花々の咲き具合を見てみたいと水の元まで走らせた。
暫く雨宿りをしていると、午後2時過ぎに小降りになったので水の元のお花畑を見て回っているといつの間にか雨が上がった。
そのまま直登道を採って急ぎ足で山頂まで足を延ばして山域を周回してみた。
小さな花々まで観察する余裕はなかったが、思いの外早く開花した花にも出会って、春の花々の饗宴に立ち会うことが出来た。
《山行記録》
水の元14:03・・・・14:05お花畑14:18・・・・14:36林道出合・・・・14:42上林森林公園広場14:52・・・・14:58風穴15:04・・・・15:28直登道分岐・・・・15:45丸太のベンチのあるテラス15:52・・・・15:57引地山分れ・・・・16:16十字峠・・・・16:24皿ヶ嶺三角点(1,270.5m)・・・・16:28皿ヶ嶺(1,278m)16:31・・・・16:48畑野川分岐・・・・16:50竜神平16:56・・・・17:07ベンチのある 休憩所・・・・17:30周回路分岐・・・・17:39林道出合・・・・17:51水の元 〔総所要時間:3時間48分、休憩等:0時間47分、正味所要時間:3時間01分、歩行距離:7.2q、累積標高差:±729m〕 |
14:03 水の元
麓から見る皿ヶ嶺は完全に雨雲の中に隠れていた。その中を車を走らせて水の元まで上がった。まだ雨が降っていたので、暫く車の中で止むのを待った。午後2時頃になって小降りになったので、直ぐ上のお花畑に入って花の観察を始めた。ヤマシャクヤクが大きな花を付けて並んでいる様を期待していたが、もう殆どが落花しておりちょっと寂しい想いがした。この日は、イチリソウが花のピークは過ぎていたがまだ沢山咲いていた。ラショウモンカズラ、ユキザサが盛りの頃を迎えていた。花園全体にはコンロンソウの白色が増し、ムラサキキケマンが萎んで減退していた。そんなお花畑を見て回っている間に雨が上がったので、そのまま杉林の中を抜けて上方の風穴に向けて登って行った。
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〈皿ヶ嶺は雲の中〉 |
〈水の元で暫し雨宿り〉 |
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〈水の元のお花畑〉 |
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〈イチリンソウはもう終盤〉 |
〈ヤマシャクヤクは殆ど花を落としていた〉 |
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〈ツクバネソウ〉 |
〈ラショウモンカズラは今が盛り!〉 |
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〈タニギキョウ〉 |
〈ユキザサ〉 |
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〈コンロンソウ〉 |
〈シロバナエンレイソウはもう実を結んでいる〉 |
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〈霧に巻かれた杉林を抜けて行く〉 |
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〈ウワバミソウ〉 |
〈ホウチャクソウ〉 |
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〈杉林の林床に咲くヤマシャクヤク〉 |
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14:42〜14:52 上林森林公園広場
風穴の手前の園地の広場に入ると、避難小屋の裏手の森の中に紅色のツツジが咲いているのが見えたので避難小屋を回り込んで見に行ってみた。避難小屋のテラスから見ると、皿ヶ嶺の山域全体はまだ霧に巻かれていた。コンクリート舗装された広場では、地元の東温高校の先生たちがテントを立てる作業中であった。お聞きしてみると、翌日に900名の生徒が参加しての全校登山大会を予定しておりその準備とのことであった。そんな中を広場周辺の花々を観察しながら風穴へと向かった。
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〈新緑に彩られた林道を暫し歩く〉 |
〈コンロンソウが目立ち始めた上林森林公園駐車場の法面〉 |
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〈避難小屋から上林森林公園の広場を望む〉 |
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〈避難小屋の裏側に咲いた紅のツツジ〉 |
〈イチリンソウ(ウラベニ)〉 |
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〈翌日の全校登山に備えて準備中の東温高校の先生方〉 |
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〈風穴へと続く遊歩道〉 |
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14:58〜15:04 風穴
風穴の周辺には吹き出た冷気が霧になって微かに漂っていた。もう初夏の風情であった。とは言え、風穴の中や外周のプランターの中のヒマラヤの青い芥子はまだ固い蕾のままであった。冷気を浴びてミヤマカタバミ、ワチガイソウ、コガネネコノメソウがまだ健在であった。風穴を後にして皿ヶ嶺への正面登山道を辿って登り始めた。北斜面をジグザグを描きながら登って行った。斜面はハシリドコロの群落で殆どが覆われているが、ハシリドコロの花はまだ少なかった。そのハシリドコロの隙間にあって今が盛りなのはヤマブキソウであった。イチリンソウもまだ元気と盛んに咲いていた。高度が増してきたので、それらの花々に交じってヤマシャクヤクの美しい花を幾つも見ることが出来た。十字峠を経由する直登道に入ると、ヤマルリソウやシコクカッコソウの群生を見ることが出来た。いずれも花のピークは過ぎていたが、まだまだ観賞するに値する咲きっぷりであった。花街道の名花たちを楽しんだ。
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〈ニシノヤマタイミンガサ越しに風穴を見る〉 |
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〈ヒマラヤの青い芥子の蕾はまだ固い〉 |
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〈ミヤマカタバミとワチガイソウ〉 |
〈ワチガイソウ〉 |
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〈コガネネコノメソウ〉 |
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〈コチャルメルソウ〉 |
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〈風穴から冷えた空気が霧になって漂う!〉 |
〈タチツボスミレ〉 |
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〈斜面一面に広がるヤマブキソウ〉 |
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〈皿ヶ嶺登山道入口〉 |
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〈花々が咲き乱れる斜面を登り行く〉 |
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〈ちょうど見頃のヤマシャクヤクが咲く〉 |
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〈セリバヤマブキソウ〉 |
〈ヤマブキソウ〉 |
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〈この日は右方向の十字峠経由の直登道を採った〉 |
〈群れて咲くヤマルリソウ〉 |
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〈標高が高くなる程に元気なイチリンソウが多くなります〉 |
〈ウラベニのイチリンソウ〉 |
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〈シコクカッコソウの群落〉 |
〈もう花のピークは過ぎたようだ〉 |
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〈ルイヨウボタンの花がまだ残っていた〉 |
〈笹の中を抜けて稜線部へと登って行く〉 |
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15:57 引地山分れ
花々を見なが高度を上げて引地山分れに達すると後は稜線歩きとなった。稜線の樹々はまだ芽生え直後で、青い新芽をこれから大きく膨らませようとしているところであった。季節の蠕動を感じる頃合であった。路傍に早くもギンリョウソウが頭を出していたが、林床にはまだチゴユリ等の小さな植物が芽を出したところで、稜線の春はまだこれからと言ったところであった。ただ、四国では希少という岩壁の上のイワカガミだけはもう咲いていた。北面の厳しい気流に晒されているブナの樹林はガスに巻かれていた。その稜線を辿って十字峠、三角点ピークを経て皿ヶ嶺山頂へと急いだ。
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〈引地山分れ〉 |
〈早くも頭を出したギンリョウソウ〉 |
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〈稜線部の樹々は芽生え直後〉 |
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〈ブナの古木も芽生えたばかり!〉 |
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〈イワカガミが開花!〉 |
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〈ガスに巻かれた稜線部のブナ林〉 |
〈十字峠〉 |
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〈皿ヶ嶺三角点〉 |
〈芽吹きの稜線を行く〉 |
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16:28〜16:31 皿ヶ嶺(1,278m)
午後4時半の平日の皿ヶ嶺の山頂には登山者の姿はなかった。北壁から外れた山頂付近に霧はかかっていなかったが、山頂からの眺望は雨上がり直後でまだ雲に広く隠されていた。山頂直下に一本のシャクナゲの樹があるが、花芽を確認することが出来なかった。もう咲いて散ったわけでもないだろうと思ったのだか・・・。時間も遅いので長居は無用と急ぎ竜神平へと下ることとした。芽吹き直後の清楚な森の中を気持ち良く下って行った。
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〈皿ヶ嶺山頂〉 |
〈雲に隠れた久万高原町町方面の眺望〉 |
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〈山頂に咲くヤマナシ〉 |
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〈山頂直下の芽吹きのブナ林〉 |
〈ブナの樹の分れ股に自生したクロフネサイシン〉 |
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〈ミツバツツジ咲くブナ林〉 |
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〈登山道に立つツインのブナの樹〉 |
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16:50〜16:56 竜神平
竜神平にも当然のことながら登山者の姿はなかった。午後5時近くになって湿地を見て回る余裕は残念ながらなかった。ただ水源にある蕾を付けたシャクナゲだけその様子を確認した。急ぎ下山することとして、北面の登山道に出てみると濃い霧に包まれていた。その後はひたすら濃霧の中を下って行ったが、路傍に咲くスミレ、イチリンソウ、シコクカッコソウなどはやはり気になった。園地まで下り、車を置いた水の元に下るために近道の遊歩道を採った。杉林の中を抜けて下りながら、その林床を白く覆っているコンロンソウが満開になる一歩手前のその風情に心躍る想いを持った。今年も真っ白なコンロンソウの絨毯を見てみたいものだ・・・!?
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〈竜神平へと下ってきた!〉 |
〈水源のシャクナゲはまだ蕾〉 |
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〈竜神平から風穴方面に下山することに・・・〉 |
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〈霧に包まれたブナ古木〉 |
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〈これはキミヤマスミレか!〉 |
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〈北面は完全に霧の中〉 |
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〈路傍にはシコクカッコソウの姿が多い〉 |
〈ベニバナのイチリンソウを背後から〉 |
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〈夕刻を迎え霧は濃くなるばかり〉 |
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〈霧に巻かれた斜面のお花畑〉 |
〈遊歩道を抜けて水の元への近道を採る〉 |
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〈コンロンソウに白く彩られた始めた杉林の林床〉 |
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17:51 水の元
水の元に残っていたのはわが愛車だけであった。夕刻の水の元は林道を通る車もなく静寂そのものであった。急ぎ無事に下山の連絡をしてからハンドルを握り家路に就いた。
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〈ハナイカダ〉 |
〈無人の水の元に下山〉 |
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やはりこの花を忘れていけませんね!
一昨年に花期が終わってから沢山の株が盗掘に遭ったこの花、
そんなことから昨年はレポートに登場させるのを自重した。
今年はどうしようかと思っていたが、
何と例年に比べて10日程度早く開花しているのに驚いて、ここに登場させることにした。
どうも今年は大型連休の最終盤に最も早い株は開花していたのではないだろうか。
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〈早くも開花!今年は殊の外早く咲いたようだ!!〉 |
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〈これはもう見頃!!〉 |
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〈この株は、独りぼっちで健気に咲いていました〉 |
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〈群落はまだ蕾〉 |
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〈これはもう直ぐ開く!〉 |
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〔山行所感〕
5月の大型連休が明けてから皿ヶ嶺は、「花の山」と呼ばれるに相応しい春の百花繚乱の時を迎える。特に風穴の上の登山道がジグザグを描いて通る北斜面のお花畑はカラフルな花々の饗宴に賑わう。今年は花々の咲く時期もやや早まっているようなので、これから暫くの間は例年以上に賑やかなお花畑になりそうである。この後、夏の花々が咲き始めるまでの間は花の端境期となってちょっと寂しくなるので、この春の饗宴を出来る限りに楽しみたいものである。
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〈この日の軌跡〉 |
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