緑深まる憩いの森を抜けて 天上山(972.3m)

広島県山県郡安芸太田町

2015年6月14日(日)      S山の会12名(門久が参加)

 

 

 

 

 

 

〈豊穣な「引き明けの森」を抜けて行く〉

 

 

 

ほぼ毎秋の紅葉の時期に訪ねる天上山であるが、

この度はS山の会の定例山行で天上山を歩くこととなった。

今回はCLの任務を務めることとなった。

初夏にこの山を訪ねるのは初めてのことであったので、慣れた山とは言え新鮮な気持ちで臨んだ。

 

《山行記録》

龍頭峡駐車場9:10・・・・9:18龍頭橋・・・・9:25二段滝9:31・・・・9:38龍頭峡登山口・・・・10:061堰堤・・・・10:142堰堤・・・・10:23ささやきの滝・・・・10:27引き明けの森入口10:35・・・・10:42大栃の木・・・・10:45分岐(右回り)・・・・11:01合流点・・・・11:06林道正木井仁線出合11:10・・・・11:17横泓人工林ルート登山口11:18・・・・12:05天上山(972.3m)(昼食)12:58・・・・13:16林道正木井仁線出合13:22・・・・13:26分岐・・・・13:35合流・・・・13:43引き明けの森入口・・・・13:522堰堤・・・・13:581堰堤・・・・14:25龍頭峡登山口・・・・14:33龍頭峡駐車場

〔総所要時間:5時間13分、昼食・休憩等:1時間17分、正味所要時間;3時間56分、歩行距離:105q、累積標高差:±1,396m〕

 

 9:10 龍頭峡駐車場

  総勢12名のメンバーが龍頭峡の駐車場に集合して準備体操で身体を解してからスタートした。先ずは龍頭橋の手前を右折して龍頭峡の滝見物を行った。二段の滝、奥の滝を見る予定であったが、奥の滝への遊歩道が二段の滝の先で通行止めとなっていたので、二段の滝を展望台から見物してから引き返すこととした。渓谷の路傍には初夏の花々が姿を現していた。

 

 

〈龍頭峡の駐車場で準備体操〉

〈三谷川の沿った林道を暫し行く〉

 

 

 

〈龍頭橋、登山口はこの橋を渡った右側〉

〈龍頭峡の「なめら滝」〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈二段滝〉

 

 

 

〈奥の滝への登山道は通行止め〉

〈渓流に咲くコガクウツギ〉

 

 

 

〈ギンリョウソウ〉

〈ヤマトウバナ〉

 

 

 

〈シライトソウ〉

〈シソバタツナミ〉

 

 

 9:38 龍頭峡登山口

  龍頭橋に戻って橋を渡ると直ぐ右側が登山口である。登山口に入ると直ぐに渡渉点があり左岸に渡るが、ここの岩は良く滑るので気を付けてと言った直後に足を流れに浸したメンバーが出てしまった。渡渉の後には暫し急峻な崖を這い上ることとなった。その崖を上り切ると、登山道は龍頭峡右岸の断崖の中ほどを巻いて谷の奥へと向かっていた。登山道の右側は断崖絶壁が渓谷に落ちているので、足元には十分注意を払って進まねばならない。スリルに満ちた巻き道が終わると、渓谷の源流部に入って行った。数か所で左岸側から滝が落ちて来ており、踏み跡然とした登山道も徐々に険しくしなって行った。本流に懸かる囁きの滝の右岸を高巻いて登って行くと、いよいよ登山ルートの核心部の「引き明けの森」に入って行った。

 

 

〈天上山への龍頭峡登山口〉

〈登山口を入ると直ぐに渡渉点がある〉

 

 

 

〈暫し険しい崖を登る〉

〈険しい龍頭峡の景観を望みながら崖の中程の巻き道を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ツルアリドウシ(アカネ科)

 

 

         〈懸崖に架かる橋を渡って進む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈渓流の源流部を行く〉

〈第一堰堤〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈滑滝が落ちる〉

〈ささやきの滝〉

 

 

10:27〜10:42 「引き明けの森」入口

引き明けの森の入口で大休憩を取ってから、悠久の森とか癒しの森などと表現される「引き明けの森」をゆっくりと抜けて登って行った。森の主の栃の古木の先で周回路が二分するがここは左手の道を採って右回りで森を抜けて行くこととした。ここは静謐で豊かな森を感じながら進む以外にこの森を楽しむ術はない。ここの紅葉は特段に素晴らしいが、初夏の緑深まる森の風情もやはり感動的であった。この森はいつ来ても心に安らぎをもたらしてくれる所だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈「引き明けの森」の標柱が立つ〉

〈杉の古木が早速に現れる〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈森の主と言われる栃の古木〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ブナ、樅、杉等の古木が林立する〉

 

 

 

〈古木の間を縫うように登り行く〉

 

 

 

〈この花はイナモリソウ(アカネ科)と教えて戴きました〉

〈コバノフユイチゴ〉

 

 

 

〈心静かに歩ける林間の道〉

〈コアジサイが咲き始めていた〉

 

 

11:06〜11:10 林道正木井仁線出合

  引き明けの森をゆっくりと堪能してその森を抜けると林道正木井仁線に出た。有名な井仁の棚田から延びてくる林道で、今は路面もよく手入れがされて車が走れる状態のようであった。天上山への直登道は林道を横切ったところから直ぐに上へと延びているが、この日はその道は下山時に使うこととして、林道を井仁の方へ10分足らず下ったところに登山口のある横泓人工林ルートで登る計画とした。このルートを採って、引き明けの森の樹齢100年〜500年の自然林と横泓人工林の樹齢100年の杉の植林地の両方を見て楽しもうという狙いであった。遠回りとはなるが、林道から上は植林地でこれと言って特色のない天上山にあって、少しなりとも変化を付けるルート採りと言えようか。

 

 

〈引き明けの森を抜けると林道正木井仁線に出合う〉

〈林道脇に建つ「悠久の森」の碑〉

 

 

 

〈ウリノキ〉

〈林道を暫し歩いて横泓人工林ルートに向かう〉

 

 

 

〈林道の路傍に咲くササユリ〉

〈横泓人工林ルートの登山口〉

 

 

 

〈コナスビ〉

〈タニギキョウ〉

 

 

 

〈横泓人工林の標識〉

〈樹齢100年程の杉の林〉

 

 

12:05〜12:58 天上山(972.3m)

  人工林を歩くこと50分足らずで天上山の頂に到達した。山頂部の稜線に上がる直下の傾斜がややきつい感じであった。山頂部は西側の樹木が切り払われており、内黒山や市間山、立岩山方向の山並みの眺望が良くなっていたものの、この日はそれらの山々は霧か霞みに隠れており大眺望という訳にはいかなかった。山頂で小一時間のゆっくりとしたランチタイムを取ってから下山の途に就いた。林道までは下り用に選択した直登道を採り、引き明けの森に入ってからは右回りの周回道を下った。

 

 

〈二等三角点が建つ天上山〉

〈山頂に到達した我らが面々〉

 

 

 

〈引き明けの森の最上部にもこの標柱が立つ〉

〈引き明けの森周回路の分岐〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈引き明けの森を下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈大きな枝で頭上を覆う栃の古木〉

 

 

13:43 「引き明けの森」入口

  引き明けの森を後にしてからは、登り来た道を下った。一度通った道ではあるが、スリル感のある道=リスクのある道であるので注意深く下った。それでも、やはり下りは下り、快調に歩けて山頂から1時間半もかからずに登山口まで下ることが出来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈第2堰堤〉

 

 

 

〈「引き明けの森」ともお別れ〉

 

 

 

〈第1堰堤下の渡渉〉

〈龍頭峡の懸崖を望む〉

 

 

 

〈登山口直ぐ上の梯子段〉

〈ここを渡ると登山口〉

 

 

14:33 龍頭峡駐車場

  5時間余の山行を無事に終えて龍頭峡駐車場へと下山した。上りはいろいろと注意を払わないといけないこともありストレスもあったが、下りは快調に歩けてちょっと呆気ない感じでもあった。梅雨時の山行であったが、何とか気持ち良く歩けて、充実した山行とすることが出来たようであった。

 

 

〈龍頭橋詰の登山口に帰着〉

〈無事に駐車場に戻った〉

 

 

〔山行所感〕

  同じ山でも季節が違えば別の山という見方もあるが、ほぼ秋専科であった引き明けの森、天上山を初夏に初めて歩いたが、引き明けの森の静謐さ、悠久や憩いを感じさせる森の佇まいは季節を異にしても同質であった。今年は初夏の森を見て、また秋にも訪ねることができれば、この山域がより身近な存在になってくれるような気がする。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

  

 

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