夏の花咲く奥山 西中国山地の幽谷

2015年8月7日(金)   チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

 

〈奥深き幽谷に咲いた真夏の花・キレンゲショウマ(ユキノシタ科)〉

 

 

 

酷暑続きの真夏の日々が続き、近場の低山には仲々に足が向きません。

そんな時節ながらも、真夏の奥山に咲く花々もあるので、

それを目的に重い腰を上げて奥山の幽谷を歩いてきました。

 

 

〈クサアジサイ(ユキノシタ科)

〈テンニンソウ(シソ科)

 

 

 

〈雷鳴響く奥山〉

〈遠く奥深き踏み跡を辿る〉

 

 

奥山に咲く花々を求めれば、当然の如く現地に到達するまでに時間を要します。

汗まみれになりながら、奥山への踏み跡を辿って行くと、路傍には夏の花々が顔を見せてくれました。

初夏に真っ白な花を咲かせていたコバノフユイチゴの実が真っ紅の稔っていました。

その甘酸っぱく深い味が疲れた身体に生気を蘇らせてくれました。

 

 

〈甘酸っぱいコバノフユイチゴが実る〉

〈ヤマジノホトトギス(ユリ科)

 

 

 

 

 

 

 

 

〈雲海棚引く谷間〉

 

 

 

午後になると、西中国山地では天候が不安定になって峰々に雷鳴が轟きます。

雷雲がこちらに来ないように念じながら歩を進めました。

この日は一つか二つ離れた山塊で入道雲が大発達しているようで、こちらには難が及ぶことはありませんせした。

お陰様で、目的の真夏の花にも出会うことが出来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈キンミズヒキ(バラ科)〉

 

 

 

 

〈生きて苔生すブナ〉

〈死して苔生す杉〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈幽谷の険しい斜面に広がるお花畑〉

 

 

 

この日の最終目的はキレンゲショウマの花に出会うことでした。

この花は<ソハヤキ要素>に当たるので、

アケボノツツジやハガクレツリフネと同様に中国地方で生育することはない筈なのに、

不思議なるかな西中国山地の深い谷間には広く分布しています。

しかし盗掘が多く、絶滅危惧種でもあり、

過去の色々な騒ぎから判断して、その所在場所を明かすことは控えます。

いつまでも、この素晴らしいお花畑が存続することを願うものです。

 

 

 

 

 

 

 

〈“天涯の花”キレンゲショウマは咲き始めたばかり〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈花期の長い花で、全般の見頃はまだこれから・・・〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈宮尾登美子の小説「天涯の花」で有名になった花〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈四国・剣山の花が有名になったが、西中国山地にもこの花は広く分布している〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈開花した花も蕾も、なかなかに良い風情〉

 

 

 

 

〔山行所感〕

  久し振りに西中国山地のキレンゲショウマの花に会うことが出来た。夏の西中国山地の山を歩くのは落ではないが、この花のある所なら万難を排して行けるから不思議だ。この可憐な植物が、いつまでも生育し続けてくれることを願うのみである。

 

 

 

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