下山林道・ウシロヤマ谷ルートから登り、水越新道を下る 十方山(1,318.9m)

広島県山県郡安芸太田町・廿日市市吉和町

2015年9月23日(水)    仁王さん夫妻+チャコ&門久

 

 

 

 

 

 

                          〈下山林道の峠付近から十方山の稜線を望む〉

 

 

 

十方山の山域は広い。

そのシシガ谷登山口から尾根筋に山頂まで新道が拓かれたというので、その踏破を第一目的として、

未踏の下山林道を辿って細見谷側から十方山を目指すこととした。

新道を辿るだけなら短時間で登れる山も、

下山林道を回ると総延長20キロメートル近いロングコースとなった。

 

《山行記録》

二軒小屋駐車場8:29・・・・9:11シシガ谷登山口9:12・・・・10:06下山林道起点10:14・・・・11:36十方山雨量観測局11:41・・・・12:05廃屋・・・・12:07カーブミラー・・・・12:15カーブミラー・・・・12:43廃車・・・・13:49下山林道終点(昼食)13:21・・・・13:28ウシロヤマ谷出合・・・・13:59枝沢入口・・・・14:36瀬戸滝ルート出合・・・・14:39(休憩)14:49・・・・15:47十方山(,318.9m)15:58・・・・16:02水越新道分岐・・・・16:52シシガ谷登山口16:57・・・・17:31二軒小屋駐車場 (33,373)

〔総所要時間:9時間02分、昼食・休憩:1時間12分、正味所要時間:7時間50分、歩行距離:19.4q、累積標高差:±1,403m

 

 8:29 二軒小屋駐車場

  二軒小屋駐車場に車を停めて、十方山林道で水越峠を越えて細見谷を目指した。今回も仁王さん夫妻が同伴してくれた。これからの長丁場に幾ばくかの不安を口にされたものの、健気に進んで行った。旧盆を過ぎてからの多雨で十方山林道は水越峠の両側ともに荒れ果てており、ガレ場を歩くのは時間もかかり辛いものがあった。1時間半余の時間を要して下山林道の起点に到達した。

 

 

 

〈二軒小屋から十方山林道に入る〉

8月来の多雨で荒れた林道を登り行く〉

 

 

 

 

〈十方山シシガ谷登山口、今回はここを通過〉

〈水越峠、ここを越えて細見谷へと下る〉

 

 

 

 

〈オタカラコウ(キク科)咲く十方山林道を行く〉

〈数えきれない程の栃の実が落ちていた〉

 

 

 

 

 

 

 

 

                                   〈細見谷の渓畔林は清新だ!!〉

 

 

 

10:06〜10:14 下山林道起点

  下山林道起点の柵を越えると、草に埋もれた道が山中へと入っていた。心配していた露は付いておらず、茫々と繁った草を掻き分けて何とか登り行けそうであった。その先はずっと草との格闘場であったが、シラヤマギク(キク科)やアケボノソウ(リンドウ科)の花に加えてヤマハッカ(シソ科)の花が多く、花と芳香にも満ちた野趣豊かな境地を味わせてくれる道が続いた。下山林道の最高点の峠を越えると林道は東へと進行方向を変えた。日当たりの良い南面で草の丈も余計に高くなったが、この沿道には十方山雨量観測局、残されたカーブミラーや廃車などもあって、それらを追って行くと鬱気も飛んで晴れやかに歩けたようであった。下山林道を辿ること2時間半ほどで、その林道終点に辿り着いた。

 

 

 

〈下山林道起点〉

〈下山林道は草茫々〉

 

 

 

 

〈下山林道の樹間に覗き見えた五里山系〉

〈分け入っても分け入っても青い草〉

 

 

 

 

〈ヤマハッカ(シソ科)の香りに満ちた山の道〉

〈もう間もなく下山林道の最高点〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈オタカラコウ(キク科)咲く下山林道を行く〉

 

 

 

〈十方山雨量観測局〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈トタン屋根が潰れた廃屋〉

 

 

〈灌木に埋まるカーブミラー)〉

 

 

 

 

〈まだ遠い十方山の稜線を仰ぎながら進む〉

〈下山林道終点近くに放置された廃車〉

 

 

12:49〜13:21 下山林道終点

  下山林道の終点部は切り拓かれた広場状になっていたが、そこも茫々の草に覆われていた。その一角で遅いランチタイムを取ったが、その直ぐ側のナラの樹にまだ新鮮な熊の食痕を見付けて驚いた。一本のナラの枝がバリバリに折られて、空疎な樹形になっており、折られた枝が樹に掛り枯れていた。ツキノワグマ達もここでブランチやディナーを摂ったようであった。30分程のランチタイムの後で、瀬戸の滝から十方山への登山道に出るためにウシロヤマ谷に一旦下った。ほんの数分で渓流に出合って、小滝を巻きながら30分程そのウシロヤマ谷を下ってから、左手から下ってきている2つ目の枝沢に入った。入口の灌木にテープが幾重にも巻かれていたのが目印になった。歩き易い沢を40分程で登り切るとお目当ての登山道に飛び出た。それまでの野趣豊かな道に比べれば高速道路のように整備された道であった。周りの樹林も美しく感じられた。足腰はそれまでの長いウォークに疲れてはいたが、これらの好条件に押されるように、まだ暫く急傾斜の道が続いたが難なくそれを登り切って十方山々頂へと辿り着いた。

 

 

 

〈下山林道終点の広場、ここで遅いランチタイム〉

〈熊の食痕の先に三ツ倉を望む〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ウシロヤマ谷に出合う〉

 

 

30分間ほどウシロヤマ谷を下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈枝沢に入り瀬戸の滝からの尾根道を目指す〉

 

 

〈歩き易い沢であった〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈瀬戸の滝からの登山道で飛び出した〉

 

 

 

〈枝沢最後の上り!〉

 

 

 

 

〈高速道路のような道で十方山山頂を目指す〉

〈十方山の山頂標識が望める山頂台地を行く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ハハコグサ(キク科)咲く登山道〉

 

 

〈アキノキリンソウ(キク科)が花盛り〉

 

 

15:47〜15:58 十方山(1,318.9m)

  午前中には晴れていた空も、午後になって急速の曇ってきた。十方山の山頂は厚い雲に覆われて夕暮れのように薄暗く感じた。眺望も殆どなく、やや強くなった風が冷たく感じられたので、時間も大分回っていることもあり早々に下山の途に就くことにした。下山はこの日の第一目的の水越新道を辿った。標高1,328メートルの十方山最高点近くから笹が切り払われた新道の空間が水越峠への尾根伝いに続いていた。まだ拓かれて間がないこともあって、笹の切り株はまだ尖り、地面も柔らかくてまだ歩き難いが、それでも山頂からシシガ谷登山口まで1時間を要しない時間で下れたので、利用価値は高いと思った。多くの登山者に踏み固めてもらえれば、もっと早く歩ける良い道になるであろう。ここまで下ると、後は二軒小屋まで十方山林道を歩くだけであった。

 

 

 

〈十方山々頂〉

〈刈り拓いたばかりの水越新道を下る〉

 

 

 

 

〈ササの切り株がまだ鋭い道が続く〉

〈山頂から1時間もかからずシシガ谷登山口に下った〉

 

 

 

 

 

 

 

 

〈荒れた十方山林道を二軒小屋へと急ぐ〉

 

 

17:31 二軒小屋

  午後5時までにシシガ谷登山口に下れたので、明るいうちに二軒小屋に下山出来ると安堵して十方山林道を心軽く下った。二軒小屋の駐車場には我々の車が停められているばかりであった。もう直ぐに暗くなる時間であったので、二軒小屋からの帰路は内黒峠の道を排して広い緑資源公団の大規模林道経由の道を採った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈広々とした二軒小屋駐車場〉

 

 

〈カラフルなミゾソバ(タデ科)の花園〉

 

 

〔山行所感〕

  水越新道に加えて、下山林道・ウシロヤマ谷ルートで十方山に登ることが出来て、満足できる山行の一日となった。延べの歩行距離が約20キロメートル、総所要時間9時間の長丁場であった。十方山の山域の広さ、大きさが実感出来た。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

 

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