紅葉の谷間を登って初雪の降った峰へ 早池峰山(1,917m)
岩手県花巻市・遠野市・宮古市
2015年9月30日(水) チャコ&門久
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〈小田越近くから秋色の早池峰山を仰ぐ〉 |
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東北遠征第2日目は北上山地の名峰・早池峰山を歩いた。
アルプスのエーデルワイスに近いハヤチネウスユキソウが咲くことで有名な山であるが、その花は残念ながらシーズン・オフ!
この時節には紅葉を楽しむしかないかと思いつつ登ったが、
その秋景色に加えて、この日の朝の初雪と冷え込みで思わぬ冬景色にも巡り逢えて
咲き残っていてくれた花々と共々多彩な景観を見せてもらえた山旅となった。
《山行記録》
河原ノ坊駐車場6:17・・・・6:19登山口・・・・7:25(休憩)7:31・・・・7:38頭垢離(こうべごうり)・・・・8:20「御座走り」標柱・・・・8:38打石(ぶついし)8:46・・・・8:59千丈ヶ岩・・・・9:31早池峰山(1,917m)9:49・・・・10:14鉄梯子・・・・10:39五合目御金蔵(おかねぐら)・・・・11;08(休憩)11:16・・・・11:31森林帯(一合目)・・・・11:55小田越登山口12:01・・・・12:36宮沢賢治歌碑・・・・12:37河原坊登山口・・・・12:41河原ノ坊駐車場 〔総所要時間:6時間24分m休憩等:0時間46分、正味所要時間:5時間38分、歩行距離:8.6q、累積標高差:±986m〕 |
6:17 河原ノ坊駐車場
登山口の河原ノ坊は山深い所であるが、そこの駐車場には早朝から沢山の登山者の車があった。既に標高1,050メートル程で、山の紅葉前線がすぐ近くまで下りてきている感じであった。好天であるが、前日同様に山上の風は強そうであった。朝の冷え込んだ空気の中を出発した。上りには正面ルートの河原ノ坊コースを採り、下りは小田越コースを採る計画であった。自然保護センターの建物を後に小田越に向かう県道を行くと直ぐに登山口はあった。登山道に入って直ぐに岳川を渡ると、その先登山道はコメガモリ沢に沿って延びていた。幾度もその沢を渡渉しながら少しずつ高度を上げて行った。登り行く程に、沢筋の紅葉が美しくなって行くのが嬉しかった。高度が上るほどに沢には岩石が詰まってきて、その行く手に早池峰山の岩でガードされた山体が見えてきた。
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〈朝の河原ノ坊駐車場からガスに巻かれた早池峰山を望む〉 |
〈早池峰山河原ノ坊登山口〉 |
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〈トリカブト(キンポウゲ科)〉 |
〈渡渉を繰り返しながら沢筋を登って行く〉 |
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〈所々にこうした番号札が掛る〉 |
〈登る程に紅葉の彩りが増して行く〉 |
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〈朝日を浴びて輝く沢筋の紅葉した林〉 |
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〈彩り豊かな沢の先に早池峰山の山頂部が覗く〉 |
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〈秋、爽快!〉 |
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〈青空にひと呼吸!!〉 |
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〈峰々に秋の訪れ〉 |
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7:38 頭垢離(こうべごうり)
7合目に当たる頭垢離で登山道はコメガモリ沢を離れて、右手上の小さな尾根に乗ることとなった。その分岐が最後の水場であるという。尾根に乗ると、瓦礫のような岩の道となって山頂に向かって直登して行く感じであった。周囲は草原と灌木帯で、夏のシーズンにはこの辺りは見事なお花畑になるのであろうことが想像出来た。草叢にドライフラワーのようになったハヤチネウスユキソウが残っているのを見ることが出来た。森林限界を完全に越えると、斜度は厳しくなって行き、「御座走り」という岩場のきつい上りが続いた。岩場の上方には「打石」や「千丈ヶ岩」などと名付けられた大きな奇岩もあり、また鎖場もあった。この日の朝方に、山頂部には今年の初雪が降ったとのことで、山頂直下の岩陰にはその雪がまだ残っていた。
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〈頭垢離で沢を離れて尾根上へ進路を採る〉 |
〈早池峰山の西隣の中岳(1679m)〉 |
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〈尾根筋に乗って山頂を目指す〉 |
〈紅葉眩しい森林限界直下の灌木帯〉 |
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〈差し込む朝日に輝く紅葉〉 |
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〈紅葉と岩のコラボが美しい!!〉 |
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〈ナンブトウウチソウ(バラ科)〉 |
〈ハヤチネウスユキソウ(キク科)〉 |
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〈「御座走り」の岩場を登り行く〉 |
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〈「御座走り」の標柱〉 |
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〈打石(ぶついし)〉 |
〈千丈ヶ岩〉 |
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〈ナンブトラノオ(タデ科〉 |
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〈朝方降った今年の初雪が岩陰に残る〉 |
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9:31〜9:49 早池峰山(1,917m)
コースタイムより少し短い時間で早池峰山の山頂に到着した。山頂には思ったより沢山の登山者の姿があった。河原ノ坊コースを登っている登山者はあまり多くなかった感じであったが、お話を聞くと小田越コースを往復する方々が多かった。河原ノ坊コースはその峻嶮さと幾度もの渡渉を要することで好まれないようであった。山頂はかなり冷え込んでいたようで、山頂にはエビの尻尾で真っ白になった岩や、凍て付いた草叢もあり、東に続く尾根筋のハイマツの原は一面見事に霧氷で覆われていた。風はやや強くはあったが、耐えられえない程ではなかった。山頂より、小田越コース沿いの風の方が強いとのことであった。低温と風で山頂に長居する環境ではなかったので、早々に下山の途に就くこととした。賽の河原、御田植場などと呼ばれる東側の木道が敷かれた稜線筋を辿って行くと、見事に結んでいた霧氷があれよあれよという間に融けて行った。稜線部の小田越コースの分岐点から小田越に続くそのコースの尾根筋の全容が見て取れた。
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〈沢山の登山者で賑わう早池峰山々頂〉 |
〈山頂部の露岩にはエビの尻尾が付着していた〉 |
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〈初雪の遺し物〉 |
〈ミヤマアズマギク(キク科)〉 |
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〈遠くこの日も岩手山の山頂は雲の中〉 |
〈早池峰山々頂から望む薬師岳(,645m)〉 |
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〈霧氷に覆われた稜線部のハイマツの原〉 |
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〈霧氷帯にアプローチ〉 |
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〈木道が設置された賽ノ河原付近〉 |
〈木道越しに早池峰山々頂部を振り返る〉 |
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〈稜線部から小田越へ下る尾根筋を俯瞰する〉 |
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10:14 鉄梯子(天狗の滑り岩)
小田越コースの8合目に当たる天狗の滑り岩という大岩盤に2段の鉄梯子が設置されていた。小田越コースの最大の難所という。注意深く一段一段下るとそう大変な所でもなかった。そこを下るとハイマツの斜面に岩礫の急な道が長々と続き、下に見える景色になかなか到達できない忍耐を要するルートが続いた。それでも、5合目の直ぐ上の「竜の馬場」と呼ばれる一帯はやや牧歌的で、夏には見事なお花畑になるところのようであった。五合目の御金蔵(おかねぐら)を過ぎて、なお忍耐強く下山の道を辿って行き、やがて樹林帯に入ると小田越は間近になったと思えた。
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〈8合目天狗の滑り岩に掛る鉄梯子〉 |
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〈二段の鉄梯子を注意深く下る)〉 |
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〈小田越コースもなかなか険しい!〉 |
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〈五合目の上の「竜の馬場」から薬師岳を望む〉 |
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〈五合目御金蔵(おかねぐら)〉 |
〈樹林帯まで下ると小田越は近い〉 |
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11:55〜12:01 小田越登山口
樹林帯に入ると直ぐかと思っていた小田越は、山の常として、やはり思っていたより遠かった。小田越にはトイレとベンチ、それに峠の遠野側に自然保護センターの建物があったが、それ以外には登山者用の施設はなく、駐車場がないので道は通じていても車でここに来ることは出来ない。登山者は、ここから2キロメートルの県道を歩いて河原ノ坊まで下らなければならない。この2キロメートルの道すがら、この日最後の紅葉狩りを楽しむことが出来た。中腹まで秋色をした早池峰山は実に美しかった。
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〈良く管理された小田越の佇まい〉 |
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〈小田越早池峰山登山口〉 |
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〈小田越から河原ノ坊への県道から早池峰山を仰ぐ〉 |
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〈ノコンギク(キク科)〉 |
〈紅葉した林越しに薬師岳を仰ぎ見る〉 |
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〈枯れ木も紅葉に包まれれば秋の景色となる〉 |
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〈小田越から河原ノ坊まで2キロメートルの歩き〉 |
〈ウメバチソウ(ユキノシタ科)〉 |
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12:41 河原ノ坊駐車場
総所要時間6時間余で河原ノ坊に戻った。山上で昼食を摂らなかったので、ここでランチタイムを取った。山バッヂは、小田越で自然監視員の方に教えて貰って、早池峰神社前の宿の「峰南荘」を訪ねて入手することが出来た。下山後の入浴は、「ぶどうの湯」(外来入浴料500円、花巻市大迫町大迫11-34-6 ホテル・ベルンドルフ 電話:0190-48‐4200)。
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〈河原ノ坊駐車場〉 |
〈宮沢賢治の歌碑〉 |
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〔山行所感〕
好天に恵まれて、素晴らしい紅葉の早池峰山を楽しむことが出来た。また、今秋一番の冷え込みで初雪の降った早池峰に登ることが出来、霧氷に包まれたハイマツの原を見ることが出来たのは望外の喜びであった。小田越コース下りの風は強かったが、前日の岩手山と比べる程のことではなかったのが幸いであった。下山後、情報収集を行うと、朝鮮半島付近に発生した爆弾低気圧が北日本を襲来する見込みとのことで、暫くの間山行は無理と判断して、あと1座の予定はあったが、身の安全を図る上でも早々に帰路に就くこととした。
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〈この日の軌跡〉 |
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