足早に秋色しのび寄る山域を歩く 皿ヶ嶺(1、278m)
愛媛県東温市
2015年10月13日(火) 門久単独
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〈秋色に染まり始めた竜神平〉 |
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8月の終りに晩夏の花々に逢いに歩いて以来、またしても皿ヶ嶺から遠ざかっていた。
1月半ぶりの今回は晩秋の花々に逢おうとの目算であったが、
思っていた花々の数は極端に少なく、
思いもしていなかった、稜線部のブナの紅葉が早くも始まっていたのには驚いた。
今年は秋の訪れが随分と早いようだ。
《山行記録》
上林森林公園駐車場11:00・・・・11:08風穴11:09・・・・11:27直登道分岐11:30・・・・11:40丸太のベンチのあるテラス・・・・11:45尾根道出合11:47・・・・11:53引地山分れ・・・・12:02ブナ古木12:06・・・・12:15十文字峠・・・・12:25皿ヶ嶺三角点(1,270.5m)12:27・・・・12:32(12.5℃)皿ヶ嶺(1,278m)12:37・・・・13:03竜神平13:10・・・・13:27ベンチのある休憩所・・・・13:47直登道分岐・・・・13:55森林公園遊歩道分岐・・・・14:06上林森林公園駐車場 (10,551歩) 〔総所要時間:3時間06分、休憩等:0時間24分、正味所要時間:2時間42分、歩行距離:6.3q、累積標高差:±571m〕 |
11:00 上林森林公園駐車場
昨日までの3連休、四国の山の天気は優れなかったが、この日は好天に恵まれた。そんなことから平日ではあったが、皿ヶ嶺の山には登山者の賑やかな声がこだましていた。公園の駐車場に車を停めて、樹々が色付き始めている山へと入って行った。風穴は見るべきものもなくなり、冷涼な風の値うちも下がってしまって無人の状況であった。登山道に入ると、シコクブシや名残りのハガクレツリフネの饗宴が見られると期待していたが、意外にももう花の晩期を迎えているようで、花々は少なかった。落胆しつつも数少ない花の写真を撮った。十字峠方面へ直登する道に入ると急斜面の所々にジンジソウが輝くように真っ白い花を広げていた。林床が徐々に寂しくなっていく時節に、この花の存在は闇に光明を見るようである。
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〈稲の採り入れの終わった田んぼ越しに皿ヶ嶺を仰ぐ〉 |
〈上林森林公園〉 |
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〈たわわに実ったタカネハンショウズル(キンポウゲ科)の果球〉 |
〈果球をアップで・・・!〉 |
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〈花を添える・・・・〉 |
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〈アキチョウジ(シソ科)〉 |
〈キバナアキギリ(シソ科)〉 |
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〈静まりかえった風穴〉 |
〈秋色がしのび寄るお花畑の森を抜けて行く〉 |
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〈シコクブシ(キンポウゲ科)〉 |
〈ハガクレツリフネ(ツリフネソウ科)〉 |
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〈ジンジソウ(ユキノシタ科)〉 |
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11:40 丸太のベンチのあるテラス
直登道が引地山分れのある稜線に上がる直前に丸太のベンチのあるテラス状の台地があり、そこからも引地山への道が分岐している。その道を辿って稜線部に出るのが好きなので、この日はその道で一旦稜線に出てから引地山分れを経て十字峠へと進んだ。稜線部は既に随分と色付き始めており、進み行くといつも立ち寄るブナの古木などはもう完全に秋色であった。十字峠に一旦下って皿ヶ嶺のピークへと登って行っていると、樹林の中のある落葉松の幾本かも随分と色付いていた。皿ヶ嶺三角点付近にあったガマズミの実は真っ紅に熟し、山頂に続く尾根筋のブナ林も随分と紅葉しており、完全に秋の山を行く風情であった。
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〈丸太のベンチのあるテラス〉 |
〈黄緑色に輝く樹林を抜けて行く〉 |
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〈引地山分れ〉 |
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〈色付き始めた尾根道を行く〉 |
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〈早くも紅葉した古ブナ〉 |
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〈十字峠〉 |
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〈ガマズミ(スイカズラ科)〉 |
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〈山頂へと続く尾根道!〉 |
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12:32〜12:37 皿ヶ嶺(1,278m)
皿ヶ嶺山頂に着く前に単独行の男性が山頂を発って竜神平方向へ向かって行くのが見えた。その直後の山頂は無人であった。十字峠からの道でご夫妻風のお二人と行き違いになったので、平日ながらも山頂には登山者が入れ替わり立ち替わり登ってきているようであった。山頂の気温は12.5℃で、風が吹けば肌寒いほどであった。長居も出来ないので、行動食を摂りながら竜神平へと下ることとした。山頂直下の石鎚山のビューポイントは、このところブナの枝振りに変化があったようで、うまく石鎚山を見ることが出来なくなったように思う。この日も何とか見てみたいと見える位置を探してみたが、なかなかに見付けることが出来なかった。もっともこの日の石鎚は、雲のベールの中にあったようではあるが・・・。この山頂直下のブナ林は、秋色を深めていた。特に稜線部のそれはきれいに紅葉しており、また谷筋の日当たりの良い所なども彩りが顕著に変化していた。その中を気持ち良く下り行くことが出来た。
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〈皿ヶ嶺山頂〉 |
〈山頂から望む大川嶺〉 |
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〈色付き始めた山頂直下のブナ林〉 |
〈ツインのブナの樹の周りも秋のモードに・・・〉 |
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〈ブナ林の稜線部はもうすっかり秋色〉 |
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〈日当たりの良い谷筋の紅葉も進む〉 |
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13:03〜13:10 竜神平
竜神平に下って行くと、ちょうど老夫妻が登って来られたところで、ここは無人ではなかった。周囲のブナの森などは彩りを変えており、一週間もして冷え込めば随分と雰囲気の違った竜神平になるだろうと思われた。時間があれば、ここから上林峠方面、更には天狗の庭などへも足を延ばしたい気持ちであったが、この日のその後の予定を考えるとそれも出来ず、ここから正面登山道で下山することにした。稜線の北面を巻いて下って行くこの正面登山道沿いの樹林も意外に紅葉が進み掛けており、それを楽しみながら下って行くことが出来た。
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〈竜神小屋〉 |
〈オタカラコウ(キク科)〉 |
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〈紅く色付いた竜神平の樹林〉 |
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〈竜神平を後にして下山の途に・・・〉 |
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〈北尾根の古ブナ!〉 |
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〈北尾根のブナの密林の一角も紅葉〉 |
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〈秋色に染まる稜線部を仰ぐ〉 |
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〈秋の風を感じながら・・・〉 |
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〈ベンチのある休憩所の周辺も紅葉する〉 |
〈秋景色の中を下山を急ぐ〉 |
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〈馴染みのミズナラの古木の周りも秋色に染まりつつあった〉 |
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14:05 上林森林公園駐車場
上林森林公園の園地まで下って来ると、明らかに紅葉の進行はまだまだと言ったところであった。昨年は杉の植林地の下草のアキチョウジが群落をなして見事に咲いていたが、今年はアキチョウジの中に背を伸ばしたオタカラコウの群落が遅咲きながらも存在感を示していた。午後2時過ぎの森林公園には、登山者ではない人達の車が次から次へとやって来ていた。秋の好天の下、まだまだ遊べる園内であった。
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〈オタカラコウ(キク科)が群落する園地の杉林〉 |
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〈上林森林公園駐車場〉 |
〈彩り増す山中を仰ぎ見る〉 |
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〔山行所感〕
晩秋の花々を楽しむ筈であったが、樹々の紅葉が進む姿を追っての山行にその趣向が変わってしまったようであった。今年は秋の訪れが早いようである。あと1週間〜10日もすれば、もっと見事な秋色の世界になるであろうが、紅く紅葉するモミジやカエデの少ない皿ヶ嶺では、ブナの紅葉の走りのこの時期が案外最も美しい時かも知れない。
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〈この日の軌跡〉 |
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