梅雨明け!汗を掻き暑気払い  掛頭山(1,126.1m)

広島県山県郡北広島町

2016年7月19日(火)   チャコ&門久

 

 

 

 

〈涼風吹き渡る掛頭山から臥龍山、深入山、遠く恐羅漢山を望む〉

 

 

 

梅雨が明けた翌日、避暑を兼ねて西中国山地の掛頭山を歩いた。

本旨はこのところの運動不足の解消と耐暑訓練であった。

何と言っても盛夏の掛頭山の最大の魅力は

スキー場リフトの山頂駅デッキを渡る涼風に当たることであったのだが・・・・!?

 

《山行記録》

 ニ川キャンプ場9:58・・・・10:13土獄林道分岐・・・・10:20土草峠(登山口)・・・・11;42尾根に乗る・・・・11:59掛頭山の肩・・・・12:08掛頭山(1,126.1m)(三等三角点)12:12・・・・12:14芸北国際スキー場上12:44・・・・13:03臥龍山縦走路分岐・・・・13:17林道出合・・・・13:18縦走路分岐・・・・13:24猿木峠・・・・14:06霧ヶ原湿原入口14:08・・・・14:40ニ川キャンプ場駐車場 

〔総所要時間:4時間42分、昼食・休憩等:0時間36分、正味所要時間:4時間06分、歩行距離:71q、累積標高差;±393m

 

 9:58 ニ川キャンプ場駐車場

  キリガ谷への入口(霧ヶ原湿原の入口でもある)の広場に車を停めようと計画していたが、赴いてみるとアブの大攻勢を受けたので急遽二川キャンプ場の駐車場へ移動した。その駐車場で登山支度をしていると、幸先良く湿原から森の中に飛んで行くアカショウビンの姿を確認することが出来た。キャンプ場から車道を歩いて土草峠へと向かった。梅雨明け七日と言われるが、梅雨明け翌日のこの日は晴天に恵まれて、頭上を覆う木立を通しても陽光が眩しいほどであった。路傍に咲く夏の花々を観察しながら車道を淡々と歩いた。

 

  

 

 

〈ニ川キャンプ場〉

〈キャンプサイトから掛頭山を仰ぎ見る〉

 

 

  

 

 

〈車道を登山口の土草峠へと登り行く〉

〈路傍に咲くゲンノショウコ(フウロソウ科)が咲く〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ヒヨドリソウ(キク科)

 

 

〈キンミズヒキ(バラ科)

 

 

  

 

 

〈掛頭山々頂に続く土獄林道が右へ、土草峠へは左の道を行く〉

〈オカトラノオ(サクラソウ科)

 

 

10:20 土草峠

  避暑目的で盛夏の掛頭山にはよく通ったものであるが、データを見ると最後に登ってからもう6年もの年月が経過していた。久し振りの夏の掛頭山ということにはなるが、登山道の様子はまだ完全に頭の中に入っていた。土草峠の登山口を入ると直ぐに急坂が始まった。暫しの辛抱と言い聞かせながら登って行き、尾根道に乗ると傾斜はやや緩やかになった。掛頭山はミズナラの美林で有名であるが、土草峠からの登山道沿いの森にもミズナラが多い。高度が上るに従って、その中にブナの古木が交じって来て観察するのも楽しくなる。登山口から40分ほどで山頂台地の北端の肩に出た。テレビ塔が立つが、この日はそこの補修工事が行われており、関係者の車が何台も停められていた。その肩から10分程山頂台地上の緩やかな登山道を歩むと掛頭山の山頂標識に行き当った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈土草峠〉

 

 

〈土草峠にある掛頭山登山口〉

 

 

 

 

 

 

〈登山口から約20分程は急坂が続く〉

 

 

 

  

 

 

〈登山道沿いには概して美しいミズナラの林が広がる〉

〈掛頭山はミズナラの美林で有名な山である〉

 

 

  

 

 

〈登山道は笹が刈られた直後のようであった〉

〈高度が上るに従ってブナの古木が目立ってくる!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈テレビ塔(工事中)のある掛頭山の肩〉

〈山頂へ緩やかな登山道が続く〉

 

 

12:06〜12:12 掛頭山(1,126.1m)

  掛頭山の山頂は山頂台地上の登山道上に三等三角点があり、その脇に山頂標識が立つだけの地味な所である。周囲はカシワの叢林に囲まれて眺望はない。カシワの叢林も掛頭山の見所の一つである。臥龍山への縦走路がカシワの樹々を縫うようにして南へ延びているが、猫の額ほどの山頂広場からその道筋を外れて東に入ると直ぐに芸北国際スキー場の最上部を通る林道に出る。林道に出た目と鼻の先にスキー場のリフトの山頂駅のデッキが聳えており、その上は日陰で風の通りが良く夏場には絶好の避暑スポットとなっている。この日もそこを借りて昼食を兼ねて暫く涼もうと考えていたのだが、行ってみると何と立ち入り禁止の大きな看板が立ち堅くガードされていた。とは言え、この林道沿い一帯は眺望も良く、渡る風も涼しく、花々も咲き休憩場所としては最適なところで、ランチタイムを取ることにした。食後は、山野草が咲く林道を山々の眺望も楽しみながら臥龍山への縦走路の分岐点まで歩き、そこから縦走路に入って猿木峠へと下って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈山頂の三等三角点〉

 

 

 

〈笹に包まれた掛頭山々頂標識〉

 

 

 

 

 

 

〈掛頭山々頂部にはカシワの樹々が拡がる〉

 

 

 

  

 

 

〈芸北国際スキー場のリフトデッキは立ち入り禁止〉

〈ヒヨドリソウ咲く山頂部で納涼ランチタイム〉

 

 

  

 

 

〈これもヒヨドリソウ(キク科)か!〉

〈ヒヨドリソウの蜜を吸うアサギマダラ〉

 

 

  

 

 

〈オカトラノオ(サクラソウ科)の群落〉

〈林道沿いに咲くカワラナデシコ(ナデシコ科)

 

 

  

 

 

〈遅咲きのウツボグサ(シソ科)

〈カシワの叢林の中にササユリ(ユリ科)が咲き残っていた〉

 

 

 

 

 

 

〈臥龍山の姿が大きい!〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ノリウツギ(ユキノシタ科)

 

 

 

〈臥龍山を望みながら猿木峠へと下る〉

 

 

13:24 猿木峠

  掛頭山からの縦走路は15分程下った最低鞍部で一端林道に出るが直ぐにまた尾根筋の山道に入り臥龍山へと向かった。その分岐から数分でもう猿木峠であった。灌木の間を西側の尾根筋に延びる登山道が分岐しており、その道を採ってキリガ谷へと下って行った。登山道はしっかりと踏まれた歩き易い道で、暫くはミズナラの多い尾根筋を下って谷間へと下って行った。下り始めると、谷間の樹々の中からアカショウビンの澄んだ鳴き声が聞こえてきた。一羽だけではなく、暫く進むとまた別の個体の声も聞こえてきた。姿を見てみたいと何度か立ち止まって探してみたが、遂にそれを発見することは出来なかった。二度の渡渉を経て、最後は山裾沿いのやや湿っぽい道となって、峠から約40分で東八幡原の一角の霧ヶ原湿原入口に出た。

 

  

 

 

〈猿木峠〉

〈ミズナラで覆われた尾根をキリガ谷へと下る〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ヤマジノホトトギス(ユリ科)

 

 

〈自然林と檜林が美しい谷〉

 

 

 

 

 

 

〈アカショウビンの鳴き声に姿を探したが簡単には見付けられなかった〉

 

 

 

14:06〜14:08 霧ヶ原湿原入口

  霧ヶ原湿原入口で暫し小休止を取ってから、湿原を縦断して二川キャンンプ場を目指した。牧場を湿原に戻して10年近くになり、良い佇まいの湿原になってきている。木道を進んでいくと、この日はトモエソウ、コバギボウシ、クサレダマ、チダケサシ、ミズチドリなどの夏の湿原を彩る花々を数多見ることが出来た。湿原越しに見る掛頭山は将に夏の山の姿であった。

 

  

 

 

〈霧ヶ原湿原入口で出る!〉

〈暫し霧ヶ原湿原を観察!〉

 

 

 

 

 

 

〈木道の延びる霧ヶ原湿原〉

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈トモエソウ(オトギリソウ科)

 

 

〈コバギボウシ(ユリ科)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈クサレダマ(サクラソウ科)

〈チダケサシ(ユキノシタ科)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈ユウスゲ(ユリ科)

 

 

〈ミズチドリ(ラン科)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈湿原の花々を観察しながら木道を進む〉

 

 

〈イヨフウロ(フウロソウ科)

 

 

 

 

 

 

〈霧ヶ原湿原から掛頭山を仰ぎ見る〉

 

 

 

14:40 ニ川キャンプ場駐車場

  4時間半ほどの山行を終えて無事に車を置いた二川キャンプ場の駐車場に戻った。梅雨明けの翌日ではあったが、山中で出会ったのは掛頭山の肩のテレビ塔工事関係者だけで、登山者には誰一人出会うことはなかった。盛夏の静かな山行を楽しんだ一日となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〈八幡原に縦横に整備された車道〉

 

 

〈ネジバナ(ラン科)

 

 

〔山行所感〕

  梅雨が明けて、いよいよ盛夏である。酷暑の盛夏は近場の山々を歩くには厳しいものがあるが、とは言え標高1000メートルを超える山であれば、下界と比べればやはり過ごし易いのも事実である。そんな所を探して、ポツリ、ポツリと出掛けて行くことにしようかと思っている。とは言え、あの天国のような掛頭山のあのリフト駅デッキに自由に出入り出来ないのはやはり残念である。

 

 

 

 

 

 

 

〈この日の軌跡〉

 

 

 

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